2007年8月1日
東方神起は日本で12枚目のシングル『SUMMER〜Summer Dream/Song for you/Love in the Ice〜』を発売した。
収録曲
・Summer Dream
・Song for you
・Love in the Ice
トリプルA面シングルという形態は東方神起とって初の試み。夏に控える多数のイベントを見据え、ダンス曲からバラードまでを1枚に詰め込んだ意欲的な作品だ。
アルバムみたいな完成度の高いシングルです。実は『Song for you』も『Love in the Ice』も、次とか次の次とかのリード曲になる可能性もあったんですよ。でもこのシングル1枚に全部入れちゃいました。(ユンホ)
雑誌「NEWSMAKER」2007年9月号
全部がシングルに出来る曲なので、買わないと勿体無いですね。(ジェジュン)
雑誌「ORICON STYLE」2007年8月13日発行
Summer Dream
『Summer Dream』はサーティワンアイスクリームのテレビCMソングとして採用された。東方神起とサーティワンアイスクリームとのコラボは前年夏のシングル『Sky』に続き2度目である。
一度PVを見たならば、この曲の魅力はもう語るまでもないかもしれない。しかしジェジュンファンとしては、彼のお気に入りのポイントにも触れておかねばならないだろう。
僕はアウトロのフェイク。自分の声なんですけど(笑)レコーディングでは誰でも真似できるように意識して歌ったんです。この曲は歌も踊りもみんなが真似出来る曲にしたくて。(ジェジュン)
雑誌「ORICON STYLE」2007年8月13日発行
アウトロといえば全員の楽しいフリーダンスだが、実はジェジュンの歌声もたっぷり楽しめるポイントの一つ。ただしジェジュン自身は、誰でも真似できるようにという以外は、あまり難しく考えずに歌ったようだ。
僕はなんにも考えなかったです。リズムを取りながら体で感じて歌ったんで、レコーディングで踊ったのはこの曲が初めてですね。(中略)自分も知らないうちにそういうふうにしちゃってたんですよ。もう本能的に(笑)(ジェジュン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年9月号
踊りながらレコーディングしちゃホントはダメなんですけど(笑)、リズムに乗ってこんな風に(カラダを揺らしながら1フレーズ歌ってくれました)楽しくレコーディングしました。(ジェジュン)
雑誌「月刊アピーリング」2007年7月24日発行
それほどダンス好きというわけではないジェジュンですらも踊りたくなってしまうノリノリ感がこの曲にはある。
とくに、最後のフレーズでフリーダンスのところがあるんですけど、すごく楽しい感じになってるので、『a-nation』とか野外のステージで踊れればいいなぁと思います。(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃」2007年9月号
最後のフリーダンスはPVを見ると分かるように、ジュンスのアドリブの振り付けを全員で真似をする。このフリーダンスはライブでも好評で後に定番となった。
Song for you
『Song for you』は「イオン夏ギフト」のCMソング。 幸せな希望に満ちた歌詞と温かなメロディを持つ歌で、メンバーらに言わせると告白やプロポーズのイメージだという。
ジェジュンの声がサウンドと歌詞の内容にピッタリ合っていて、聴いていると、スタートするところから幸せな気持ちになれます。それにサビのコーラス部分もすごくきれいですし、歌詞も素晴らしいので、ぜひこの曲で告白、プロポーズしてほしいです。(ユンホ)
雑誌「PATi PATi」2007年9月号
僕はこの曲は最初はロックっぽいイメージで唄ったんですよ。でも結局ふつうに唄うのがいいなぁと思って、ふつうに唄ったんですよね。(中略)これでよかったなぁと思います。こっちの方が温かい雰囲気が出たし、温かい曲になったと思う。(ジェジュン)
雑誌「B-PASS」2007年9月号
ジェジュンのコメントからは、イメージに近づけるように様々な発声や歌い回しを試みるという彼らしい一面がのぞく。
こうした試行錯誤が、時期によって音色や雰囲気が異なるジェジュンの歌声の変化にもつながっているのかもしれない。
(5人の歌声の変化について問われ)意識をして変えているのではないですが。時間が経って自然に変わっていっているような気がします。(中略)もっといい声がないか、きれいな声がないか探しながらやっています。練習もしてます。(ジェジュン)
雑誌「月刊アピーリング」2007年7月24日発行
『Song for you』は後に韓国語バージョンが制作され、アジアツアー「MIROTIC」でも歌われることとなった。
Love in the Ice
『Love in the Ice』はテレビ東京系韓国ドラマ『雪の女王』のエンディングテーマ。バラードだが『Song for you』とは趣が全く異なり、5人の声が重なって盛り上がるドラマチックな曲だ。
僕のイメージは、すごく静かな雰囲気の街の丘の上にベンチがひとつあって、そのベンチに座って、なにもない夜の空を見ながら愛を歌う……そんな感じでした。(ジェジュン)
雑誌「B-PASS」2007年9月号
レコーディングしながら、途中で泣けちゃったんですね。ホントに…フェイクの所ですごく高い音程の所があるんですけど、無理して感情を込めて、僕も知らないうちに…涙が出て。(ジェジュン)
JFN(ラジオ)「Bigeastation」2007年7月23日放送
『Love in the Ice』はファンに深く愛される人気曲となったが、リリース当時のメンバーらのコメントに特別感はなかった。
この曲を名曲たらしめたのはむしろライブでのパフォーマンスだろう。特に後半は怒涛のコーラスワークで観客を圧倒し、5人の歌声が観客の感情までも巻き込んで最高潮に達してしまう。
作曲者は「day after tomorrow」や「girl next door」のメンバーとしても知られる鈴木大輔氏。当作以前にも「miss you」や「Hello again」を提供しており、後には「Bolero」や「W」を手掛けることとなる。
『Love in the Ice』はSOUL POWERで好評を得た後、様々なライブでセトリの最後を飾る曲に選ばれた。例えば「T」ツアーや「The Secret Code」ツアーの東京ドーム公演などだ。
さらにこの曲は韓国語バージョンが制作され、コンサートやテレビでのパフォーマンスを通じて母国のファンにも親しまれることとなった。
その結果、ジェジュンが東方神起を離れてからも、『Love in the Ice』は数多くの後輩アーティストにカバーされ受け継がれることとなる。
沖縄ロケ
6月後半、武道館ライブを終えた東方神起はすぐに4日間の沖縄ロケへと飛び立った。メンバーらにとって沖縄を訪れるのはこの時が初めてである。
ロケの目的は『Summer Dream』のPV撮影とアーティストブック『SHINE』の写真撮影。初日は『SHINE』のための夜の撮影からスタートした。
2日目は『Summer Dream』のPV撮影。ジェジュンのソロカットは、日差しが照り付ける街角で水をがぶ飲みするシーンだ。
――ジェジュンは本当にのどが渇いてるような感じで水を飲んでいたよね。
ジェジュン:わざと汚く飲んだんです。
ジュンス :僕にはちょっとよだれが垂れているように見えました(笑)。
ジェジュン:ごめんなさい、監督の指示だったんです(笑)。
雑誌「PATi PATi」2007年9月号
ソロカットの次は海辺でのダンスシーンの撮影。ただでさえ暑いのにジャケットを羽織り、汗だくになりながら撮影した。
そんな暑さの中でも、メンバーらは待ち時間に砂浜でヤドカリを探したりと海遊びに興味津々の様子だった。
メンバーも「海だぁ~~~!!」と叫びながら入ろうとしたら監督から「ダンス合わせて~」と無情な声がかかるとメンバーは後ろ髪引かれる思いで戻ってきて「僕たちはいつ、海入れますか?」を連発!遊びで来てない事は解っていても少しくらい遊びたいのが本音ですもんね。
Bigeast会報 Vol. 6
この日の最後は夜のプールサイドでのダンスシーン。ハードな一日の撮影が終わる頃、コソコソ何かを話し始めるメンバーたち……。
無事に1日目を終えたその瞬間……ザバーン!そう、ダンサー、スタッフが次々にメンバーにプールに投げ込まれます(笑)。そこにいたほぼ全員を投げ込み、大満足そうな5人なのでした。
雑誌「WHAT’s IN?」2007年8月号
3日目はPVのドライブシーンを中心に撮影。4日目は再びアーティストブック『SHINE』の写真撮影を行い、ロケを無事完了することができた。
夏のイベント活動
レコーディングは「Five in the Black」ツアー中に実施し、PV撮影(沖縄ロケ)は6月後半に終えた。
そこから7月上旬までの韓国活動(2007 Summer SMTOWN)を終えると、いよいよイベントとプロモーション活動のスタートだ。
この夏、東方神起が参加したイベントは主に次の通り。
・a-nation’07(7公演)
・SOUL POWER(3公演)
・Summer Touch会(3回)
・SOUND MARINA 2007(1公演)
・東京ガールズコレクション
Summer Touch会
当CDの帯にはイベント共通券が付いており、Summer Touch会への参加かPREMIUM MINI LIVE(9月開催)の抽選どちらかに利用できる。
Summer Touch会はメンバーとハイタッチができるイベント。前年夏の『Sky』の購入者イベント“Sky Touch会”は東京での1回のみだったが、第2弾の今回は全国3都市に拡大された。
<日程および開催地>
8月2日 東京(新木場 STUDIO COAST)
8月3日 福岡(福岡国際センター)
8月5日 神戸(ワールド記念ホール)
<1日のスケジュール>
会場案内開始(7:00)⇒開場(9:00)⇒開催(12:00)⇒受付終了(18:00)⇒終了(20:00)
メンバーらはブースに設けられた椅子に座り、訪れてくる参加者と次々とハイタッチをし続ける。
Sky Touch会の時は一か所でやったんですけど、今回は色んな所で何回かやって、ホントに前よりも東方神起のファンが増えたなっていう、そういう気がしてホントに嬉しかったんですね。(チャンミン)
男のファンがいっぱい来ていただいて嬉しかったです。(ユンホ)
DVD『History in Japan Vol.3』
どの会場でも何千人という皆さんと会うことができました。(ジュンス)
雑誌「月刊アピーリング」2007年9月21日発行
6~8時間もの間ハイタッチをし続けるメンバーらは大変に違いないが、訪れるファンらも体力勝負だ。真夏の暑さの中、かなりの時間を屋外で並んで待たなければならない。
しかも、朝7:00の会場案内開始というのはあくまでも会場側が並んでもいいですよという時間。こういったイベントの常として、それより前、場合によっては始発よりも前から並ぶファンもいる。
初のオリコンデイリー1位
複数のメンバーと、または何度もハイタッチするにはその枚数分のCDを購入しなければならない。AKB商法と同じだが、このイベントの効果はCDの売上を押し上げた。
『SUMMER〜Summer Dream/Song for you/Love in the Ice〜』はオリコン週間チャートで前作『Lovin’ you』(約4~5万枚)に続く2位を獲得したばかりか、過去最高の10万枚越えを一気に果たしたのだ。
そしてデイリーチャートでは初めての1位を獲得。この嬉しいニュースが飛び込んできたのは、次作シングル『SHINE』のジャケット撮影中だった。
そのときに1位をとりました~って話を言われて、ホント、嘘だと思ったんです。(ジェジュン)
DVD『History in Japan Vol.3』
DVD『History in Japan Vo.3』ではこの時の様子を見ることができる。スタッフから1位を獲ったと告げられ、目を丸くして驚くメンバーたち。5人で円陣になって喜びを爆発させた。
はぁ~(ため息をついて)、本っ当にいいです、表現できないほどすっごくめちゃめちゃ嬉しいです。(ジェジュン)
DVD『History in Japan Vol.3』
この時のジェジュンの心から嬉しそうな笑顔は、同DVDでぜひチェックされたい。
HEY! HEY! HEY! 出演
8月6日、東方神起はフジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」に出演。ダウンタウンが司会を務める音楽番組で、同年2月に続き約半年ぶり2度目の出演であった。
ダウンタウンと東方神起のトークは、冒頭「5人で一緒に住んでます!!」というテロップとともに始まった。
メンバーらが東京でも韓国でも共同生活をしていることに驚くダウンタウン。
松本:お前ら~、誰と誰がどうやねん!
浜田:一人余るやないか~!
5人:(きわどいツッコミにタジタジとしつつも笑顔)
フジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」2007年8月6日放送
東方神起はグループ結成以来ずっと寮で一緒に生活しており、それも個室ではなく複数人で一つの部屋をシェアしていたのだ。
浜田:マジで?一人ずつ住みたいとか思わへんの?
ジェジュン:(笑顔で)今でもホントに十分幸せですね!
フジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」2007年8月6日放送
天然とも爆弾発言ともとれるジェジュンのコメントにその場は爆笑に包まれるが、それでも彼は共同生活の良さを伝え足りないと思ったのか、熱を込めて語り続けた。
ジェジュン:ホントに、ホントに幸せです!(中略)家の広さとかは全然関係ないし、5人で一緒に暮らしてるの自体が、すごくいいです。
フジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」2007年8月6日放送
同番組では他にもオヤジギャグが取り上げられた。冴えないオヤジギャグにはまって大ウケするメンバーらは純粋にも可愛くも映るが、その魅力はダウンタウンの絶妙ないじりによって増幅されたようだ。
話題はさらに、韓国の恋人たちがバレンタインデーやホワイトデー以外にも祝う沢山の記念日へと移る。東方神起が紹介した“ブラックデー”や“キスデー”などは、日本人には聴き馴染みのない記念日ばかりだ。
こうした韓国文化ネタは「HEY! HEY! HEY!」に限らず様々な番組で披露され、まだK-POPが浸透していなかった当時の日本において、韓国文化への関心を少しずつ後押ししたことは言うまでもない。
2007年夏、東方神起はゴールデン帯の音楽番組という新たなステージで、自らが日本生活で直面してきた言語の壁や文化的ギャップを武器に変えて挑んでいたといえそうだ。