東方神起 日本2ndツアー「Five in the Black」開始

2007年5月10日

日本デビューから約2年を経た東方神起は、日本で2度目のライブツアー「Five in the Black」を実施。全国9都市(札幌・新潟・東京・名古屋・滋賀・大阪・神戸・福岡)のホールを回り、計16公演を行った。

ツアーの最後は2日間の武道館公演で締めくくられることが予め発表された。この武道館公演は東方神起の歴史における重要度が非常に高いため別記事で紹介することとし、当記事ではライブツアー全体について記述したい。

ライブハウスツアーからホールツアーへ

前年の「Heart, Mind and Soul」ツアーが7都市11公演だったのに比べ、今回は9都市16公演と拡大したライブツアーとなった。

会場も前年のライブツアーでは数百人規模のライブハウスから千数百人程度の中規模ホールが多かったが、当ライブツアーは一千人以上のホールがほとんどで、二千人を超えるキャパの会場も少なくない。

このことは東方神起が前回のライブツアーからの一年間で徐々に日本で受け入れられており、今後のさらなる人気獲得への期待がかけられていたとみることができる。

セットリスト

1. ZION
2. Choosey Lover
3. The Way U Are
4. Step by Step
5. 約束
6. Begin
7. DEAD END
8. Rising Sun
9. HUG(アカペラ Ver.)
10. Whatever They Say (アカペラ Ver.) (武道館公演)
11. I’ll Be There
12. 明日は来るから
13. My Destiny
14. miss you
15. Somebody To Love
16. No Pain No Gain
17. High Time
18. “O” -正・反・合
19. Sky
20. Lovin’ you
21. Hello again
22. PROUD(武道館公演)

ダンス曲の増加

コンサートの序盤はアルバム『Five in the Black』のタイトルの由来であるダーツ、そしてリード曲『Choosey Lover』のPVにも共通するディスコ風の演出でスタートした。

そして前半で『DEAD END』『Rising Sun』とダンスナンバーが続く。

『Rising Sun』は2005年の韓国でのリリース以来ライブで最も盛り上がる曲の一つだったが、この曲がコンサートの折り返しにも来ていない前半に出てくるということは、東方神起の曲のレパートリーが増えたことを意味している。

実際、アルバム『Five in the Black』はダンス曲が多くライブでの盛り上がりを意識した構成だ。その結果、ただでさえ曲数が20曲に増えているのに(前回のライブツアーでは15曲だった)、ダンスナンバーが増えたことでメンバーも体力的には大変だったようだ。

今回はダンスの曲もたくさんありますので、皆さんには楽しんでもらえると思いますが、僕たちは必死です(笑)。(中略)本当はステージの上ではカッコイイ笑顔でいないといけないけど、表情がだんだん変になってきていると思います(笑)。(ジェジュン)

雑誌「月刊アピーリング」2007年5月24日発行

そして後半は『miss you』から5連続のダンス曲をたたみかけ、最後は『Rising Sun』よりも体力的負荷が高いと言われる『“O” -正・反・合』でアンコール前のセトリを締めくくるのだ。

MCでのオヤジギャグ

シングル『Step by Step』の記事でも触れたが、東方神起は2007年の初頭から日本語を学ぶ過程でダジャレを覚え始めた。誰もが知っているようなダジャレから始まり、自作のダジャレを作るまでにハマったメンバーらは、ライブのMCで早速その成果を披露することとなった。

ダジャレに最もハマっているジュンスが旗振り役となり、寒~いド定番のオヤジギャグから、日本人が聞いたこともない奇想天外なダジャレにまでチャレンジする。

そんなメンバーらの面白可愛さは観客ウケが抜群で、ジュンスが「オヤジギャグほしいですか?」と観客に振ると、待ってましたとばかりに拍手喝采になるほどだ。

オヤジギャグコーナーはライブの恒例となり、どんどんバリエーションが豊富になっていった。ライブごとに毎回異なる様々なギャグは、ツアーのDVDの初回限定盤特典映像(全会場ダイジェスト映像)で見ることができる。

しかし東方神起のMCの魅力はギャグだけではない。日本語が上達したことでメンバー同士の仲の良さがより伝わり、お互いを褒め合う温かいメンバー愛が感じられるのだ。例えば、滋賀公演でのトークは次のような様相だ。

チャンミン「僕は4年前は、かわいかったです。僕の昔のコンセプトはかわいい末っ子のイメージでしたから」

ユンホ  「今もいいですよ」

チャンミン「そしてジェジュンは女性らしい。目も大きいし…」

ジェジュン「今とんでもないこと言いましたか?」

チャンミン「いえ、カリスマで東方神起のヴィジュアルです。」

雑誌「ARENA37℃ SPECIAL」Vol.35 2007年

褒めたと思ったら次の瞬間にはイジりが始まったりと、ここではクールさと毒舌さと併せ持つチャンミンの活躍の場だ。

チャンミンが最後に「こういうおかしい人たち5人が集まる東方神起ですけど、前のツアーでは今みたいに自然に会話したりできなかったんです。ちょっとずつうまくなってきました」と話し、客席からは大拍手。

雑誌「ARENA37℃ SPECIAL」Vol.35 2007年

かくして当ツアーでのライブは、激しいダンスだけでなくMCも進化したものとなった。一ファンとしての目線でいえば、体力も頭脳も使うことで並大抵でないパワーを要するように見える。

しかし、ライブの舞台裏を追った映像や記事から見えてくるのは、そんな想像を超えるほどの向上心とスタミナを持つメンバーらの姿だ。

本番前の待ち時間では、ジェジュンが楽屋でピアノを弾く光景が見られる。

楽屋の中にピアノがあったので、ユチョンやジュンスたちと韓国の「キッス・ザ・レイン」「ブライアン・マック・ナイト」などの曲を弾いて歌っていたのが楽しかったですね。(ジェジュン)

雑誌「PATi PATi」2007年8月号

さらにライブ終了直後、テンションが高くなったジェジュンは、汗だくになるほど踊っていたのに、なんと楽屋に戻るなりまたピアノを弾いていたという。

ユチョンの誕生日祝い

名古屋公演では、アンコールで6月4日生まれのユチョンを祝うバースデーソングを歌ったほか、東京へ帰るバスの中でサプライズパーティーが行われた。

ライブ終了後、地元テレビ局の取材を終えたメンバーらは、20:30頃スタッフと東京へ向かうバスに乗り込んだ。車内で夕食をとった後は、各自ゲームをしたり思い思いリラックスの時間を過ごした。

サービスエリアに止まったときにパーティーがスタートですけど、着いたらすぐにトイレに行くってユチョンが言い出したので、僕もついていって。(ジュンス)

で、その間にみんなで慌ててパーティーの準備をして、ユチョンが戻ってきたと同時にお祝いしたんです。(ジェジュン)

雑誌「PATi PATi」2007年8月号

サプライズの決行は0時頃、クラッカーを鳴らして始まった。ユチョンは“本日の主役”と書かれたタスキをかけられ、皆でバースデーケーキとジュースで乾杯し、車内は温かな空気に包まれていた。

追っかけファンの増加

従来より、韓国では過激なファンの行動がメディアに取り上げられていた。それは東方神起に熱狂的なファンが多く、中にはストーカーなどの悪質な行為や迷惑行為におよぶ人々がいるというものだ。

日本ではこのような過激なファンの存在は表沙汰になってこなかったが、この頃、日本における人気の高まりとともに過激なファンが増加し見過ごせない事態となっていた。

2ndライブツアーを終えたタイミングで、東方神起のメンバーとスタッフは、公式ファンクラブBigeastを通して過激な応援に対する注意喚起を行った。

ジェジュンや東方神起は長年過激なファン行動に苦しめられていたことが知られている。当時の人気の高まりによる負の側面を知ることができるよう、彼らの言葉をここに記しておきたい。

(以下、原文の一部を抜粋)

いつも駅とか空港で僕たちを待っているファンの皆さんがいるのですが、すごく危険なことが多く、僕たちはいつも心配しています。関係のない方にも迷惑をかけていて、僕たちはもう地方に行かない方がいいのかな・・・とスタッフの皆さんに話したこともあります。

僕たちは日本に来て、全国の皆さんに会うことをとても楽しみにしています。でも、今は電車にも飛行機にも乗れなくなりそうです。それと、車で追いかけてくる方もいますが、もし事故になったら、本当に悲しいことです。(ジュンス、ユチョン、ジェジュン、チャンミン、ユンホ)

Bigeast会報 Vol.5

最近一部のファンによる過激な応援が目立つようになりました。空港や鉄道駅で危険と思われる行為が行われ、実際にケガをされた方もいらっしゃいます。今後、大きな事故や事件に発展するようなことがあれば、東方神起が日本で活動できなくなる恐れがあります。

また、他のアーティストの方と共演するようなイベントでは、東方神起が出演を終えると会場を後にされる方が沢山見受けられ、イベント中の途中退場はイベント主催者様にご迷惑をおかけするばかりか、共演者のアーティストの方々にも大変失礼な行為です。(東方神起スタッフ一同)

Bigeast会報 Vol.5

日程および開催地

5月10日 中野サンプラザ
5月12日 大阪厚生年金会館
5月13日 大阪厚生年金会館
5月16日 新潟県民会館
5月18日 渋谷C.C.Lemonホール
5月19日 渋谷C.C.Lemonホール
5月23日 札幌市教育文化会館
5月27日 仙台市民会館
5月29日 神戸国際会館
5月31日 滋賀:びわ湖ホール
6月2日 愛知県芸術劇場
6月3日 愛知県芸術劇場
6月15日 福岡サンパレス
6月16日 福岡サンパレス
6月18日 日本武道館
6月19日 日本武道館

DVD

「Five in the Black」ツアーの日本武道館公演はこちらのDVDで発売されている。

3rdアルバム『T』のDVDが2枚付属しているバージョンには「2nd LIVE TOUR ~Five in the Black~ Special Edition」が収録されている。これは日本武道館公演のダイジェスト映像に5人の副音声が入っているもので、5人がLIVE映像を見ながら盛り上がる楽しい鑑賞会となっている。

ジェジュンはハイテンションで「ジェ~ジュン!最高!」と叫んだり「オレ、ダンスうまい…」と自画自賛したりとお茶目さ全開だ。こちらも見逃せないDVDとしてチェックされたい。

『History in Japan Vol.3』では、アルバムプロモーションの一環で全国各地のイベントに出演した時の映像や、ユチョンのバースデーパーティの映像を見ることができる。

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