2006年5月13日
日本初のライブツアー「Heart, Mind and Soul」では、7都市(札幌・新潟・東京・横浜・名古屋・大阪・福岡)のライブハウスを回り、計11公演を行った。
当初は各都市1公演ずつ、計7公演が発表されていたが、チケットが発売開始直後に完売したため、大阪1公演・横浜1公演・東京2公演(Zepp Tokyo)の計4公演が追加されることとなった。
ジェジュンは4月から当公演の直前まで活動自粛しており、当ライブツアーへの参加が危ぶまれていたが、ツアー初日を2日後に控えた5月11日にエイベックスがジェジュンの活動再開を発表。晴れてツアーに参加できることとなった。
セットリスト
1. Stay With Me Tonight
2. The way U are
3. 言葉はいらない
4. 愛せない 愛したい
5. My Destiny
6. Try My Love
7. Eternal
8. 明日は来るから
9. Somebody To Love
10. Break up the shell
11. Rising Sun
12. Heart, Mind and Soul
13. HUG
14. Begin
15. One
セットリストはスタッフが考案したものをただ与えられるのではなく、メンバーとスタッフが話し合って決めたという。
ここらへんでこの歌がうたいたいとか、この曲では客席とこんな掛け合いができたらいいなとか、スタッフと一緒に考えていったんです。(ジェジュン)
雑誌「WHAT’s IN?」 2006年7月号
曲目の大半は1stアルバム『Heart, Mind and Soul』で構成される。同アルバムの中でジェジュンが最もお気に入りの曲として挙げているのが『愛せない 愛したい』だ。当ツアーでジェジュンは『愛せない 愛したい』を気持ち良さそうに感情を込めて歌っており、その姿はDVDでも見ることができる。
また、『Begin』については当ツアー中に公開された新曲。こちらもジェジュンが好きな曲であり、気持ちの入ったパフォーマンスを見せていた。
――恵比寿ザ・ガーデンホールの『Begin』でジェジュンさんが声を詰まらせていましたが、グッとくるものがあったのでしょうか?
雑誌「ARENA37℃ SPECIAL」Vol.28 2006年
「一瞬、メロディと歌詞、会場の雰囲気が1つになって、熱い気持ちになりました」(ジェジュン)
日本で初の本格的なコンサート
ツアー初日の映像(当ツアーDVDに初回盤特典映像として収録)を見ると、メンバーらは日本での初コンサートに先立ち、緊張と不安を感じていたことが分かる。
(最終日のZepp Tokyoよりも)札幌の時がもっとドキドキしました。(中略)僕は初日の札幌の前日は、あまり眠れてなかったです。(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃ SPECIAL」Vol.28 2006年
メンバーらが特に不安に感じていたのがMCだ。MCは司会者がおらず、メンバーだけで全て日本語で乗り切らなければならない。そのためメンバーらは事前にMCの練習を沢山行ったという。本番では、緊張気味にトークを行うメンバーに客席から多くの声援が送られた。
ちなみに東方神起がMCにギャグを盛り込むようになったのは翌年の2007年以降であり、この時期はまだギャグを言えるほどには日本語が上達していない。
当ツアーのMCでは、主に各地の方言や美味しいものを取り上げていた。MCの内容は事前にある程度話し合って決めるが、その中で積極的にアドリブも挟んでいた。雑誌「ARENA37℃」のライブレポート(大阪公演)では、そんなMCの一コマが紹介されている。
(『HUG』を歌い終えて)ユチョンが「(ジェジュンが)歌詞間違えた~!」と指摘すると、ジェジュンは「この中ですごくキレイな人がいましたから、その瞬間緊張しました(笑)」とアドリブで応戦するなど、生のライヴならではのやりとりが彼らを身近に感じさせる。
雑誌「ARENA37℃」2006年8月号
当ツアーはメンバーにとって緊張の連続であったが、客席からは温かい声援が送られ、全ての公演を無事成功させることができた。雑誌「BARKS」のライブレポート(Zepp Tokyo公演)では、ツアー最終日の様子が次のように綴られている。
すべての曲が終わった後も、オーディエンスは帰ろうとせず、ステージに向かって長い時間何度も繰り返しアンコールを求める声を発し続けていた。彼等はそんな声に応えて再びステージに現れ、1人ずつこのツアーの感想と感謝の言葉を述べた。
終演後、楽屋に戻った彼等の顔には心からの笑顔があった。(中略)彼等はまだここからがスタートだと声を弾ませた。
東方神起大特集 2006夏 LIVE REPORT編 | BARKS
ジェジュンは記念すべき日本での初コンサート・初ツアーについてどのように受け止めたのだろうか。
日本でデビューして1年くらいで全国ツアーができたこと……、そのスピードの早さにびっくりしました。(ジェジュン)
雑誌「WHAT’s IN?」2009年2月号
つらかったことは、自分的に完璧な東方神起の姿を、まだまだ見せきれなかったことです。全体的にとてもいいツアーだったし、1公演ずつ、全力で頑張れたライブだったと思うのですが、ここまでたくさん日本語で歌を歌ったことがなかったので、途中で歌詞がこんがらがったり、細かいミスがたくさんあったりしたんです。そんなこともあり、改めて日本語で歌うことの難しさを感じました。
(中略)うれしかったことは、各地で僕たちを待っていてくれた人たちが大勢いてくれたことと、盛り上がってくれたことでした!本当に感謝しています。各地でおいしいものが食べられたことと、方言を教えてもらったのも楽しかったです!(ジェジュン)
雑誌「WHAT’s IN?」2006年8月号
日程および開催地
5月13日 札幌(PENNY LANE 24)
5月18日 大阪(なんばHatch)
5月20日 大阪(なんばHatch)
5月27日 横浜(横浜BLITZ)
5月28日 横浜(横浜BLITZ)
6月4日 福岡(福岡Drum Logos)
6月10日 名古屋(CLUB DIAMOND HALL)
6月23日 新潟(NIIGATA LOTS)
6月25日 東京(恵比寿ガーデンホール)
6月27日 東京(Zepp Tokyo)
6月28日 東京(Zepp Tokyo)
ツアーは韓国での活動と並行した過密スケジュールの中で敢行された。東方神起にとって過密スケジュールはデビュー以来珍しくはないのだが、この頃の忙しさについてはメンバー自身もインタビューで口にするほどだった。
例えば、東方神起は6月16日から6月23日までの一週間で、韓国→タイ(授賞式)→ドイツ(W杯の応援)→韓国→大阪→サイパン(『Sky』PV撮影)→東京→新潟(ライブ)へと移動している。一般感覚では考えられないほど過酷な旅程である。
このような激務がたたったのか、当ツアー中に扁桃腺に深刻な痛みを抱えていたユンホは、無理を押して全公演に出演したものの、ツアー終了後に状態が悪化し入院してしまった。
DVD
雑誌
「ARENA37℃」の2008年8月号には大阪公演のライブレポートが、 「ARENA37℃ SPECIAL」の方には Zepp Tokyo公演のライブレポートが掲載されている。どちらの雑誌もライブレポートだけでなくインタビューも掲載されていて、ツアー当時のメンバーらの様子を知ることができる。