2007年7月28日
「a-nation」はエイベックスが毎年夏に開催する野外ライブイベント。2007年の参加アーティストはTRF、浜崎あゆみ、倖田來未、大塚愛など。
東方神起は今回が3回目の参加で、全公演(5都市7公演)に出場した。
日程および開催地
7月28日 宮城(名取スポーツパーク)
8月4日 愛媛(愛媛県総合運動公園陸上競技場)
8月12日 静岡(つま恋多目的広場)
8月18日 兵庫(神戸ポートアイランド)
8月19日 兵庫(神戸ポートアイランド)
8月25日 東京(味の素スタジアム)
8月26日 東京(味の素スタジアム)
セットリスト
・Sky
・Choosey Lover
・Lovin’ you
・Summer Dream
・“O” -正・反・合
3年目のa-nation
東方神起のa-nationへの出場歴を見ると彼らのステップアップが分かる。
初出場した「a-nation ’05」ではオープニングアクトの1公演のみで、曲数は2曲。2年目の「a-nation ’06」は初めてメインステージとなり、5公演に出場し、曲数は4曲。
3年目の「a-nation ’07」は、全7公演への出場となり、曲数が5曲に増えた。
a-nationって、東方神起だけのコンサートとちょっと違って、東方神起だけのファンの方だけじゃなくて、あちこちで音楽が好きって言っている方々が集まって作るステージだから楽しいですね。(ジェジュン)
DVD『History in Japan Vol.3』
a-nationは野外ライブイベントとしては国内最大級であり、大観衆の前でパフォーマンスができることも魅力の一つ。
例えば、この年の神戸公演に集まった観客は3万5千人以上。当時の東方神起の単独ライブは最大でも武道館公演の1万5千人程度だったから、彼らにとってかなり大きな会場と言える。
だって今年が始まるときからもうマネージャーさんに「“a-nation”、早くやりたいんです!」って言ってたくらい。ライヴももちろん楽しみなんですけど、あの雰囲気と、あと屋台(笑)。(ジェジュン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年9月号
ジェジュンが楽しみだと語るa-nationの魅力とは何なのか、以下で追っていくこととしよう。
ユンホの復帰
「a-nation ’06」の記事でも触れたが、前年のa-nationでは、ユンホが足の怪我のため全公演を欠場していた。4人で結束力を高めて臨んだとはいえ、ユンホの欠場はメンバーらにとって無念なものだった。
去年の“a-nation”は4人でさみしかったですし、どれだけ頑張っても東方神起のすべてを見せることはできない気がしていたんですが、今年はこれが東方神起だと自信を持って臨むことができました。(ジェジュン)
雑誌「PATi PATi」2007年10月号
去年は4人が頑張ってくれたけど、今年僕が出て5人になってもそんなに変わらないと言われないように、“東方神起は5人なんだ”というところを見せたいとスゴく思っていました。(ユンホ)
雑誌「月刊アピーリング」2007年9月21日発行
ダンスで絶対的な存在感を発揮するユンホがいてこそ、東方神起のアイデンティティを示すことができ、自信を持ってパフォーマンスが出来るというものだろう。
5人じゃないと東方神起じゃないんですね。(ジェジュン)
今年5人で、100%の東方神起じゃなくて、それ以上…120、130%、もっとカッコいいパフォーマンスをする東方神起を見せたいです。(チャンミン)
日本テレビ「Music Fighter」2007年7月28日放送
a-nationへの意気込みを語りながら、5人であることを強調するジェジュンの瞳には力が宿っていた。
東方神起プロデュース屋台
a-nationの会場内にはコミュニティエリアがあり、公式グッズや出演アーティストのグッズが揃うショップ、ゲーム大会を開催するサテライトステーションなどが設けられている。
今回のa-nationでは、このコミュニティエリアに東方神起のスペシャル屋台が登場。テレビ番組「Channel-a」の企画でメンバー自身が考案した屋台メニューが販売されるというものだ。
メニューのテーマはメンバー全員が大好きな「肉」。5人が精肉工場を見学し、実際に部位を見ながら選ぶところから始まった。
調理に場面が映ると、ジェジュンは肉の合間に野菜を挟んで串に通していき、彩りの良い焼肉串が出来上がった。
肉だけでは味が飽きちゃいます。(中略)食べたくなる、そういう形をしてる!(ジェジュン)
テレビ「Channel-a」2007年7月19日放送
味だけでなく美味しそうな見た目も重視する、料理好きのジェジュンらしい一コマである。
続いて焼肉串のソースを作る場面では、ジェジュンは一つの串にワサビとマスタードとコチュジャンという辛味ばかりを3つも盛り込み、「天国の味ですね!」と自画自賛した。
アーティストが揃う舞台裏
a-nationのステージ裏もお祭り感で溢れている。各アーティストの楽屋としてテントやプレハブがずらりと設けられ、さらに食べ物や遊びなどの屋台が立ち並ぶ。
といっても東方神起は会場入りしたら食事や休憩ばかりできるわけではなく、ステージの準備に加えてメディア対応に忙しい。ここでも日韓のテレビの密着収録や雑誌の取材対応をこなすからだ。
合間を縫ってできた空き時間、ようやくメンバーらは大好きな屋台で腹ごしらえができる。
かき氷おいしかったです!(ジュンス)
抹茶そばも。(ユチョン)
あと、鴨肉。(ジェジュン)
豚バラ。(ユンホ)
雑誌「PATi PATi」2007年10月号
ジェジュンは焼き鳥をほおばり、チャンミンとなにやらヒソヒソ話……アヤシイ(笑)
(中略)それにしてもメンバーみんな仲が良い!食事に行くときもずっと一緒だし、一つの皿をみんなでつつき合う姿がとても微笑ましかったです。
雑誌「NEWSMAKER」2007年10月号
また、他の出演アーティストの交流もa-nationならではの魅力の一つ。
バックステージでは他のアーティストにも会う機会が多いです。BBQを一緒にしたり輪投げや金魚すくい、ダーツなどで交流を深めています。
Bigeast会報 Vol.6
僕はほとんど楽屋にいないですね。外に出て他のアーティストさんに挨拶したりスタッフさんと遊んだり。ステージの裏からも客席は少し見えるんですけど、こっそりステージ袖に行ってお客さんの顔を見たりするのも楽しみ。(ジェジュン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年9月号
舞台裏での様子はメディアを通しても見ることができる。例えばM-netでは、東方神起がすっかり上達した日本語でダンサーと談笑したり、韓国語を教えてあげるシーンが放送された(2007年9月4日放送)。
また雑誌「NEWSMAKER」では、他のアーティストと談笑する写真が掲載されている(2007年10月号)。いずれも、ジェジュンの生き生きとして楽しそうな表情が印象的だ。
ライブ本番
東方神起はオリコンチャートの順位が示すようにファンを順調に増やしており、それはa-nationの来場者からも見てとれた。
昨年とは比較にならないほどのファンの数。ウワサには聞いていたものの、ここで初めて東方神起を見た人たちも、「ダンスうまいね。」「カッコいいね。」という声が上がります。
雑誌「月刊アピーリング」2007年9月21日発行
観客の中には男性ファンもおり、東方神起のウチワを持って声援を送っていたという。
彼らが出演した時間にはちょうど陽が沈みかけ過ごしやすくなってきたのですが、彼らのアツいステージにファンもヒートアップし、新曲『Summer Dream』では興奮も頂点に。それでいながら爽やかな彼らの表情に、逆に癒されたりもしました。
雑誌「NEWSMAKER」2007年10月号
ユンホが戻ってきて完全体となった東方神起の力強いステージは、DVD『Hisoty in Japan SPECIAL』でぜひ視聴されたい。
日本でのプライベート
約1カ月におよぶa-nationの期間のほとんどを、東方神起は日本で過ごしていた。同時期にSummer Touch会(3回)やSOUL POWER(3公演)などもこなし、頻繁にファンの前に姿を見せた。
こうした連日のイベント出演はさぞかし体力的にきついのではと想像するが、当時のジェジュンの表情や言葉からは、むしろ健康そうな様子が伝わる。
(体調は)大丈夫でした。食欲がなくなってしまうこともなかったので、色んな場所でも家でも健康的に過ごせました(笑)(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃」2007年10月号
メンバーらのインタビューを追うと、彼らにとって最も大変な時期は、国際間の移動を多数伴う過密日程であることがわかる。
彼ら自身がそう明言しているわけではないが、インタビューでの表情や言葉尻であったり、継続的に彼らを取材している記者のコメントから伝わってくるのだ。
2007年は2006年よりも忙しかったとされるが、a-nationの時期は国内移動が主だったため、幾らか余裕があったのかもしれない。
実際、彼らはプライベートでも日本に馴染めてきている様子を明かしている。
あまり外で運動はやっていないですけど、たまに自転車で走って運動したりしてます。(ジェジュン)
――自転車をゲットした?
はい、ジュンスと僕とユチョンで買いました。(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃」2007年9月号
ジェジュンはこの頃、買い物などの近距離の移動で自転車に乗ることにハマっていた。
この間僕が自転車に乗って電気屋さんに行ったとき、韓国の人がいて。“え!?東方神起が日本では自転車に乗ってるんだ!”って言ってて。恥ずかしかった(照)。でもホントは自慢なんです。街で自転車に乗れることが。
(中略)街を走る自分にちょっと酔ってたりしてます(笑)(ジェジュン)
ソニー・マガジンズ『SHINE 2ND ARTIST BOOK FROM TOHOSHINKI』2007年
当時日本では東方神起のことを知らない人が多かったため、有名人と気付かれずに街を出歩くこともできたようだ。誰もが東方神起を知っている韓国では考えられないことだろう。
a-nationより半年後ではあるが、ジェジュンは韓国のテレビ番組でも、有名人だと気付かれなかったエピソードを披露している。
マネージャーと6人で六本木に出かけたんです。カップルの多い場所なんですよ。そこでカメラを持ったカップルに呼び止められたんです。僕らと写真を撮りたいのかと思ったら、違ったんです。僕たちに写真を撮ってくれと……。二組も撮ったんです(笑)。(ジェジュン)
KBS「Happy Together」2008年2月28日放送
日本の言語や文化に慣れてきた東方神起にとって、一般人のように自転車で街を走ることが大いにリフレッシュとなったのも頷ける。
買い物などで庶民的なお店を覗くことを好むジェジュンが、どんな場所へ出かけていたのか気になるところだ。
DVD
『History in Japan SPECIAL』は東京公演の全5曲とMCが通しで収録されている。a-nationの鑑賞はこちらのDVDが最もおすすめだ。
また「Channel-a」も収録されており、ダイジェスト版ではあるが東方神起スペシャル屋台の焼肉串づくりを見ることができる。
『History in Japan Vol.3』には、a-nationのライブ映像の一部とメンバーらのインタビューが収録されている。
雑誌
NEWSMAKERの2007年10月号では神戸公演の密着レポートを掲載。舞台裏のオフショットも豊富で最もおすすめだ。
NEWSMAKERの2007年9月号では、インタビューでジェジュンがa-nationへの情熱を語っている。
PATi PATiには、a-nationを終えたメンバーらの楽しい思い出話が掲載されている。
月刊アピーリングは東方神起インタビューの他、東方神起以外のアーティストも含めたa-nation全体のライブレポートなどの内容。