2007年11月14日
東方神起は日本で14枚目のシングル『Forever Love』を発売した。
収録曲
・Forever Love
・Day Moon~ハルダル~
Forever Love
東方神起と『Forever Love』との出会いはPREMIUM MINI LIVEの企画時にさかのぼる。
PREMIUM MINI LIVEでは各メンバーのソロパフォーマンスが行われたが、その曲を決める際、候補曲として『Forever Love』が挙がっていた。
実はこの曲、ジュンスが発見した曲で。プレミアムライヴでひとりずつソロを歌う曲として、ジュンスが選んだ曲だったんです。それを聴いた僕たちが、本当に良い曲だと思っていて。
(中略)その時に羨ましいなと思ったし、5人で歌ったらもっと良くなるだろうと思って。「あの曲を東方神起で歌いたい」ってスタッフの人にお願いして。(ジェジュン)
雑誌「ORICON STYLE」2007年11月26日発行
あまりにいい曲だったので、僕ひとりで歌うのもうれしいですけど、できればみんなで歌えたらもっとうれしい!11月にバラードシングルを出すならばぜひこの曲にしてくださいと薦めたんです。(ジュンス)
雑誌「PATi PATi」2007年12月号
『Forever Love』は5人全員がレコーディング前から惚れ込んだ。彼らは良曲に出会えた興奮を口々に語る。
今までの曲も好きだったんですけど、いつも以上にヤル気の出る曲でした。歌っている5人もこの曲がすぐに大好きになって、気合を入れてレコーディングに臨みました。(ジュンス)
雑誌「ORICON STYLE」2007年11月26日発行
本当にいい曲だったんで、みんな、すごくやる気満タンで(笑)。(ユンホ)
力、入りすぎなくらい(笑)。(ジェジュン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年12月号
このようにメンバーらは意気込んで制作に取りかかったのだが、レコーディング現場では多くの難題に直面することとなる。
封印されるハーモニー
『Forever Love』は東方神起が過去に歌ってきた日本のバラードとはかなり異なる。
それは東方神起が売りにしてきたハーモニーを封印するという点だ。
いつものように5人のコーラスを重視する曲も好きですが、今回特別なのは、一人ひとりのパートも重視されていて、それぞれの声の個性をより感じることができることです。(ジュンス)
雑誌「月刊アピーリング」2007年11月22日発行
今まではサビの部分では、大きなハーモニーで聴かせるような雰囲気になっていたんですけど、今回はメインの人の声が強い。(ジュンス)
コーラスが少ないからね。(チャンミン)
そう。だからひとりひとりの声を感じられる曲に仕上がっている。コーラスの音も下げて、メインがよく聴こえるようなミックスになっているし。(ジュンス)
雑誌「B-PASS」2007年12月号
彼らの言葉を総合すると、コーラスで聴かせるのではなく一人一人がソロ歌手のように個性を出して歌い、それをバトンのように繋いでいく。
このバトンパスが重要で、上手くいかなければ各パートがバラバラになり、曲全体を調和させることができない。
自分が歌う前のパートを聴いて、その雰囲気を活かすんですよ。そこに一番注意して、歌っています。(ジュンス)
そうやると、自分の歌の雰囲気が決まるんですよ。(ユンホ)
雑誌「B-PASS」2007年12月号
僕はサビを歌っているんですけど、サビまでアンプラグドな雰囲気の中でそれぞれが個性を出した歌い方で歌い上げてくるので、サビでそこをまとめて一気に盛り上げなければいけなかったので、とても苦労しました。(ジェジュン)
雑誌「CDでーた 11月号増刊 オークションでーた」2007年
ジェジュンが語るように、サビの歌い手はそれぞれがソロ部分で出してきた感情を一つにする役割を担う。
当作でサビを歌うのは、最初がジェジュン、二番目がチャンミン、三番目がジュンス、最後に再びジェジュン。
とくにサビがそうなんですけど、爆発して叫ぶ歌い方じゃなくて、声をギリギリまで抑えて表現する、という事に気をつけました。伝えたいんだけど伝えられない気持ちを声でも表現できればと思いました。(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃」2007年12月号
ジェジュンだけでなくメンバーらも、『Forever Love』に込められた感情表現の難しさを語っている。
永遠の愛について歌ってるんですけど、自分の彼女をホントに大事にしてる、それでその彼女と永遠に一緒に行きたい、そういう気持ちが入ってる。(ジュンス)
Music On! TV 「M-On! News」2007年11月20日放送
今回は優しくなんですけど、切なく歌いました。(中略)永遠なんですけど、それに少し不安も感じているんですよね。そういう切なさなんです。(ユンホ)
雑誌「B-PASS」2007年12月号
つまり、ストレートに愛する気持ちを募らせつつもその感情を抑制するという相反する要素がこの曲には込められているというわけだ。
こだわり続けたレコーディング
難関はそれだけではない。メンバーら直面した数々の課題について、彼らの言葉を追ってみよう。
僕もホント気合い満々だったんですけど、レコーディングではジェジュンと同じ問題にぶつかったんですよ。僕とジェジュンにとっては微妙な音程なんですよね。高くもないけど低くもないっていうのは。(チャンミン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年12月号
たぶん僕とジェジュンが一番苦労したと思います。サビのところが僕たちにとっては、すごく高い音でもなく、逆に低い音でもなく、本当に微妙な中間の音程だったし、そこでさらに感情を込めて表現するのが難しかったんです。
というのも、“前に出る気持ち”ではなく、少し抑えた感じで表現するほうがこの曲のイメージにはあっていたので、そのバランスを取るのに苦労しました。(チャンミン)
雑誌「月刊アピーリング」2007年11月22日発行
サビに向かって盛り上げながらもギリギリまで抑えて歌うというただでさえ難しい表現を、さらに難しくする音程の問題。
ジェジュンは立ちはだかる壁の大きさを、レコーディングを開始して初めて感じたという。
良い曲なのでもっと上手く歌いたいってところでプレッシャーもあったし、この曲のレコーディングはちょっとツラかったです。
ただ、最初は「僕だけが苦労してるんじゃないか?」と思って、「あぁ、僕はダメだなぁ」と落ち込んでいる自分がいたんですけど、チャンミンも同じところで苦労していて(笑)。
やっぱり難しい曲だったんだなと思いました。(ジェジュン)
雑誌「ORICON STYLE」2007年11月26日発行
ジェジュンだけでなく、サビを歌うチャンミンやジュンスも同じような課題に直面し、それぞれが奮闘していた。
この曲は5人ともとても好きだったので、特にこだわりが強くて何度も歌い直したんですよ。
プロデューサーさんからはOKが出ているのに、自分たち的に納得がいかず、“もう一回歌わせてください!”ってお願いして、納得いくまで歌わせてもらいました。(ジュンス)
雑誌「CDでーた 11月号増刊 オークションでーた」2007年
こうした努力の結果、『Forever Love』はメンバーら自身も納得のいく曲に仕上がったという。
僕がいちばん好きなフレーズは、ジェジュンの“どんな未来描いてるの?”のところなんです。主人公の優しくて強い気持ちがとても表れているし、胸に切なく響いてくるんですよ。ジーンって。(ジュンス)
雑誌「WHAT’s IN?」リリースインタビュー(『TOHOSHINKI Fantasy★Star 04-09』収録)
ジェジュンが“♪どんな未来描いているの”って歌って、次が僕。この流れの歌詞がものすごく好きなんです。(ジュンス)
雑誌「B-PASS」2007年12月号
ジェジュンの“どんな未来描いているの?”からジュンスの“浮かべて見つけた一番星”にかけての流れは驚くほど滑らかだ。
前述のジュンスの言葉からも、会心のバトンパスだったと言えるかもしれない。
この曲は、今まで東方神起が歌ってきた数多くのバラードの中でも、5人が心から大好きだと言える、思い入れの深いナンバーで。
これまでも5人の声を強調した楽曲はたくさんあったのですが、いちばんそれぞれの個性が表れているのがこの曲だと思いますし、自分たち自身何回聴いても全然飽きない、自信を持って、良い曲だと言いたい。(チャンミン)
雑誌「PATi PATi」2007年12月号
PV撮影
2007年10月、都内のスタジオに夕焼けと砂漠を模したセットが組まれ、『Forever Love』のPV撮影が始まった。
実はホントにセットで、スタジオで取ったんですけど。(ユンホ)
砂漠のセットだったんですけど、すごくあの、本物みたいにリアル的な、そういうセットだったんですよね。びっくりしました。(ユチョン)
JFN(ラジオ)「Bigeastation」2007年10月22日放送
PVを見ると分かるように、砂漠の中には遺跡のような朽ちた建物がある。
そこに腰掛けて歌うメンバーらの傍らには、永遠や愛を暗示するモチーフがさりげなく配置されている。
ジュンスには望遠鏡、ユチョンには地球儀、チャンミンには帆船の模型。ジェジュンの傍らには恐竜の骨が横たわっている。
――恐竜の化石は「永遠」をイメージしているのかな?
あ、そうか!自分が死んでしまっても、骨と気持ちはずーっと残っているということか。(ジュンス)
確かに、ジェジュンはそういうイメージかもしれないですね。合ってるかも。(ユンホ)
雑誌「月刊アピーリング」2007年11月22日発行
PV撮影の様子は、テレビやDVD、雑誌など幾つものメディアで見ることができる。
本番になると研ぎ澄まされた集中力を見せる一方、待ち時間になるとおどけた様子のメンバーたち。
撮影の合間、スタジオには哀愁を帯びたピアノの旋律にのせて、優しい歌声が響き渡った。
♪スタッフのみなさん よろしくね 僕も頑張るから~(弾き語りをするジェジュン)
テレビ「Channel-a」 2007年11月15日放送
この日のスタジオにはグランドピアノがあり、少しでも時間があればメンバーらが色々な曲を演奏する、おなじみの光景が見られた。
スタッフを気遣うジェジュンのユーモラスな即興演奏は、きっと現場の雰囲気を和ませたに違いない。
Day Moon~ハルダル~
『Day Moon~ハルダル~』は、韓国語の歌『ハルダル』の日本語版である。
原曲の『ハルダル』は、チェ・ジウが主演した韓国ドラマ『エア・シティ』のOST。『エア・シティ』の日本での放送に合わせて、日本語版の『Day Moon~ハルダル~』が制作された。
ドラマ『エア・シティ』OST『ハルダル』の記事でも述べたが、この曲の冒頭は雷雨のような効果音が鳴り響き、謎めきを漂わせながらスタートする。
イギリスっぽい、霧が立ちこめていてどこにいるのかわからない感じというか、ちょっと朦朧とするような、神秘的な雰囲気のある曲だなって。いろいろな場所をずっと彷徨っているような。(ユチョン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年12月号
その後、ドラマのストーリーのように曲調が徐々に転換し、コーラスが重なり合う力強いラストへと向かっていく。
聴きどころって言えば、自分はすごく、『Day Moon』のサビがほんとに好きです。普段、東方神起の曲って基本1人がメインを歌って、後ろで4人がコーラスを入れる、そういう感じじゃないですか。でもこの曲は、同時に5人が一緒にメインを歌う。そういう感じですね。(中略)今までのバラードの曲と若干違う。(ジェジュン)
すごくあのサビ、5人がメインをみんな歌ってるので、すごくスケール的に広いんですね。(ユチョン)
JFN(ラジオ)「Bigeastation」2007年10月22日放送
東方神起の場合、同じ歌を韓国語と日本語で歌うことは珍しくない。
過去にも同様の経験を積み重ねてきた彼らだったが、実際には『Day Moon~ハルダル~』のレコーディングにあっても、言語の違いならではの難しさを感じていたようだ。
最近は歌詞が理解できるから、日本でデビューした頃とは違いますけど、韓国語で歌った癖が体の中に残っているから、そこはやっぱり難しくて。(ジェジュン)
雑誌「ORICON STYLE」2007年11月26日発行
やっぱり韓国語と日本語では発音も違うし、メロディのハマり方も違ってくるので、いちばんキレイに聴こえるように当てはめながら歌うのが難しかったです。
この曲の歌詞は叙情的な内容でもあるので、そんなところとメロディの重なり具合も楽しんでもらえたら嬉しいです。(ジェジュン)
雑誌「CDでーた 11月号増刊 オークションでーた」2007年
この曲は、発音だけでなく歌詞の意味内容も韓国語の原曲と異なる。
韓国語詞が『エア・シティ』のどちらかというとヒューマンドラマの面に沿っているのに対し、日本語詞はラブストーリーの面に沿っており、異なるメッセージ性を持つ。
そのため、韓国語版と日本語版でメンバーの歌い方の差が顕著なのが『ハルダル』の特徴だ。
ジェジュンが語る恋愛
話題を『Forever Love』に戻そう。
この曲のテーマはまさにタイトル通りであるが、ジェジュン本人は永遠の愛を信じていたのだろうか。
『Forever Love』のリリース前後の時期、雑誌の記者たちは東方神起に恋愛観を問う様々な質問を投げかけた。
友達は、愛より弱いけど、長いやつ。(中断)僕は、友情と愛なら、愛を選択します。でも、愛がなくなっても、最後まで待っているのは友達だなって思いますけど。(ジェジュン)
雑誌「B-PASS」2008年1月号
燃えない。愛は永遠に燃えないもの。(ジェジュン)
雑誌「B-PASS」2008年1月号
永遠の愛を信じるか?……はい。信じたいです。永遠の愛があるならば、信じてそうしていきたいと思っています。でも、今はまだ探しているところなのかな……。(ジェジュン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年12月号
永遠の愛を恋の永続性と捉えるならば、ジェジュンの答えはいささか懐疑的だ。
しかし彼の言葉をさらに拾い集めると、そこには単なる恋愛不信とはまた違った深い思索が見え隠れする。
初めて会った時は気が強くて、自信満々とか自己中心に見える子。そういう人が、付き合うことで少しずつでも変わっていくと、それがホントの幸せだなと思います。自分のことをきっかけに、人が変わるというのは、ホントに素敵なことだと思いますから!(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃」2007年12月号
やっぱり2人の思いを少しずつ合わせていきながら作るのが愛だと思うので、そうやって、関係が強くなっていくんだと思います。出会った時から幸せな愛はないと思います…
(中略)その時の思いも記憶もお互いの性格のギャップも、時間によってお互いに直してあげながら作っていくものだし、それが正しいと思います。お互いが努力しないと……ですよね(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃」2007年12月号
恋愛を語る時、ジェジュンは恋のときめきや燃え上がるような気持ちにはあまり焦点を当てないようだ。
それは『Forever Love』のプロモーション活動時に限ったことではなく、その前後の時期にも共通して言える。
2007年頃のジェジュンの恋愛観に迫るべく、インタビューをさらにたどってみよう。
自己犠牲とかも愛ですよね。(ジェジュン)
雑誌「B-PASS」2008年1月号
現代の人間って愛や恋をもらいたがるだけだったりするじゃないですか。だから、あげたいって気持ちをこの曲(※『SHINE』のこと)で勉強するといいのかもしれない。(ジェジュン)
雑誌「NEWSMAKER」2007年11月号
言葉だけでは何にもならない、約束を守って、それをお互いに信じて、その時にようやく初めて“愛”になるんだと思います。(中略)完全にはできないかもしれないですけど、約束したことは守りたいと…いえ、守ります!(ジェジュン)
雑誌「ARENA37℃ SPECIAL」Vol.34 2007年
満21歳のジェジュンの言葉はさりげないながらもどこか含みがあり、一般論に置き換えてみても、恋愛に付随する様々な困難や現実的な問題に対するヒントを与えてくれる。
このように大人びたようにも思えるジェジュンの価値観が、彼の人生においてどのように醸成されたのか、想像は尽きない。
CD・DVD
CDのみのバージョンには、『Forever Love』と『Day Moon~ハルダル~』の通常バージョンの他に、『Forever Love』のアカペラバージョンも収録されている。
DVD付きのバージョンはPVが収録されている。
DVD『History in Japan Vol.3』にはPV撮影の他、横浜の山下公園の大桟橋でのジャケット撮影シーンなどが収められている。
雑誌
月刊アピーリングの表紙は東方神起。全7ページの特集は、『Forever Love』だけでなく同時期の倖田來未とのコラボ『LAST ANGEL』やアジアツアー「O」についても詳しい。
Oricon Styleは、主に『Forever Love』のレコーディングをじっくりと掘り下げている。また、それとは別に倖田來未の記事があり、東方神起とのコラボの魅力が“倖田節”で語られている。
PATi PATiは『Forever Love』のPV撮影現場をレポート。砂漠や夕焼けを再現したセットだけに写真も華やか。待ち時間にピアノを弾くジェジュンなど、オフショットも多数掲載されている。
NEWSMAKERは楽曲解説が詳しく、踏み込んだ視点で書かれている。『Day Moon~ハルダル~』についても詳しい。裏表紙のグラビアは東方神起である。
ARENA37℃は、『Forever Love』のリリースインタビューと恋愛観についてのパーソナルQ&Aの二部構成。恋愛に求める要素や惹かれるタイプ、ギャップについての考え方など、具体的に聞き込んでいる。
B-PASSの12月号は、倖田來未との『LAST ANGEL』や『Forever Love』のレコーディングの話題を中心としたインタビューが掲載されている。
B-PASSの1月号は、「友情」「夢」「愛」「信じること」などのキーワードについてメンバーたちが語り合うトークが掲載されている。
「CDでーた 11月号増刊 オークションでーた」2007年
雑誌「CDでーた」の別冊増刊号「オークションでーた」。表紙は東方神起。全15ページの特集には、インタビューや集合写真だけでなく、メンバー一人一人のグラビアもある。グラビアはかなりシックな雰囲気だ。
Maze は Kpopwaymixtapeのジェジュンプログラムでかけてくれてて、 聴こえてくると 拳を振り上げて一緒に歌っちゃう曲
ジェジュンが歌うにあたってジュンスの後押しがあったんですね すごい興味深いエピソードです
愛について語るジェジュンって なんだかしっかりと地に足つけて人生歩きたいって思ってるみたいに見えるんですけど
この見方は
合ってるのかな…
ジュンスの後押しの件、ジェジュンは新しいことには迷いがちというか慎重な性格なのかな?ソロ活動もJYJの中ではジュンスがスタートが早くて、ジェジュンは遅い方でしたし…どうでしょう?恋愛観も、ジェジュンは謎に包まれてますよね🤭