2006年9月27日
東方神起がパッケージに登場したお菓子「美Stick」(ミスティック)が韓国の大手菓子メーカー オリオンから発売された。
10代向けの新しいお菓子
オリオンは韓国の大手菓子メーカーで、ロングセラー商品である“情”のチョコパイが特に有名である。
同社の伝統的なチョコレート技術を用いて、10代の女性をターゲットに新たに開発された商品が「美Stick」だ。
オリオンは今回の「美Stick」発売のために1年余りを超える準備期間を持った。製品開発段階からモデルに東方神起を指名して、継続的な提案の末に最終モデルに選ばれた。
오리온 ‘美 Stick’ – 식품음료신문 (thinkfood.co.kr) 当サイト訳
「美Stick」のブランドマネージャー ソ・ミョンヒ氏は「製品のイメージを表現できるモデルとして東方神起が最も適切だった」とし、「オリオンにとっては製品を効果的に知らせることができ、東方神起はアルバム発表前に注目を集めることができるという点で、Win-Winとなりそうだ」と話した。
오리온 ‘美 Stick’ – 식품음료신문 (thinkfood.co.kr) 当サイト訳
パッケージに東方神起が登場
「美Stick」は日本のポッキーに似たチョコレートスティック。競合商品としては“ぺペロデー”の由来となったロッテの「ぺペロ」がある。
「美Stick」の味は三種類ある。赤い箱の“チョコレート”は、まさにシンプルなポッキーのような、細長いビスケットにチョコレートがかかったもの。
黄色い箱の“カフェラテ”は、チョコレートのデコレーションでふんわり感を出していて、プレミアムポッキーのように少し太い。
白い箱の“チョコレートブラウン”は、全粒小麦のビスケットの筒の中にチョコレートが入っており、トッポに少し似ている。
外箱には、「美Stick」ロゴとともに東方神起メンバーの顔写真と手書きサインが印刷されている。一つの箱に5人の集合写真が載っているのではなく、1人のメンバーが載っている箱が5パターンある。
味は三種類だから、5人分を合わせると全部で15タイプの箱があるということだ。
さらに、本品に東方神起のフォトブックや画像入りのVCDが付属したスペシャルBOXセットも発売された。
東方神起のイメージ効果
9月29日、東方神起は3集アルバム『”O” -正・反・合』を発売。「美Stick」の発売のタイミングは、この東方神起のカムバックに合わせられた。
東方神起の底力はすぐに現れた。 不況の中でも、(美Stickが)発売後10日間で売上が10億ウォンという記録を立てたこと。 40日間余りで売上40億ウォンを超えるという快挙を見せた。
雑誌「JUNIOR」2006年12月号 当サイト訳
オリオンでは「菓子パッケージの全面にトップアイドルが登場するのは極めて異例的。製品発売前の9月初めから、東方神起ファンのみなさんから問い合わせ電話が殺到した」と話している。
オリオンによると、現在韓国のチョコスティック市場は年間400億ウォン(約50億円)台で、売上の50%以上が11~12月に集中している。
Chosun Online | 朝鮮日報-東方神起ユンホとユチョン、売れるのはどっち?
「美Stick」の販売価格は、チョコレートは1個(1箱)500ウォン、カフェラテとチョコレートブラウンは700ウォンである。
発売後の10日間で10億ウォン売れたということは、1個当たりの価格で単純計算すると、150万~200万個が10日間で売れたということになる。
海外ファンも注目
「美Stick」は、東方神起のファン層、すなわち韓国だけでなく日本やアジアからも関心を集めた。
国内だけでなく海外でも中国や香港、日本のファンがオリオンの龍山本社に電話で大量注文する事態まで発生している。 タイ人の中には現地ファンへの販売を目的とした大量購入の要望があるが、オリオンでは国内供給量が足りず、海外からの購入希望にまで積極的に応えられていない状況だ。
[식음료업계 겨울먹거리] 오리온-미스틱,가수 동방신기 모델 주효 – 파이낸셜뉴스 (fnnews.com) 当サイト訳
デビュー以来、多くのアパレル、食品、電化製品などでモデルとして活動してきた東方神起は、「こんなに早く反応が来るとは思わなかった」とファンの声援に感謝の気持ちを伝えた。
雑誌「JUNIOR」2006年12月号 当サイト訳
市場規模との比較
前述のように、メディアによれば東方神起を起用した「美Stick」は記録的な売上を上げたとのこと。
ここで、先に引用した“発売後10日間で売上10億ウォン”、そして“40日間余りで売上40億ウォン”というのがどの程度のインパクトなのかを確かめてみたい。
オリオンによると韓国のチョコスティック市場が年間400億ウォンであることは先に述べた。
もう少し視野を広げて、韓国の菓子市場全体からみるとどの程度なのか。
農林中金総合研究所の報告書では韓国の2002年の食品統計について触れており、それによると、菓子全体の市場規模が年間20,754億ウォン、そのうちチョコレートが2,455億ウォンとされる。
すなわちチョコスティックの市場規模は、菓子全体の2%、チョコレートの16%である。
「美Stick」の売上記録を、仮に年間に換算すれば、チョコスティック市場の91%、チョコレート市場の15%、菓子市場の2%に相当する金額を「美Stick」が売り上げたことになる。
もちろん実際に「美Stick」が発売直後と同じペースで1年間売れ続けたということではないので、あくまで比較の話である。
荒っぽい比較ではあるが、「美Stick」の売上が韓国の菓子市場、特にチョコレート市場からみてもかなり大きかったことが分かる。
結果としてメディアが報じる通り、「美Stick」は十分にヒットと呼べる成果を上げたといえそうだ。
参考商品
「美Stick」のスペシャルBOXに付属するフォトブックや画像入りVCDは、今日では中々見かけることのない珍しいグッズの部類に入るが、中古市場で売買されることもある。
こちらのAmazonはその一例だ。
雑誌
「JUNIOR」 2006年12月号
韓国の芸能雑誌。「美Stick」の東方神起グラビアが5ページにわたり掲載されている。記事の本文は3rdアルバム『“O”-正・反・合』の活動がメインだが、「美Stick」のエピソードについても記載されている。